「あの〜・・・」
夕飯も食べ終わり、あたしは宿題、芽衣は予習をしている時だった。
「・・・何?」
勉強に集中しているのか、顔を上げないまま答える芽衣。
「ちょっと、大事な話があるんだけど」
深刻そうに聞こえたのか、芽衣はあたしのほうを振り向く。
話の先を促すような視線にあたしは言葉を続ける。
「あのね、明日はママ出張で泊まってくるんだって」
それで?と芽衣が言おうとする前にまくしたてるように言った。
「ええと。いい加減やることやらないとと思って」
喉でも乾いたのか、芽衣はあたしの話を聞きながら、ペットボトルのお茶に口を付ける。
「だ、だから!初夜を迎えようかと思って!」
あたしの言葉が予想外だったのか、芽衣はむせてしまったようで、咳き込む。
「ご、ごめん大丈夫?」
「・・・いいから続けて」
「う、うん・・・」
それで。と言葉を続けるあたしにうなずくでもなくただあたしの顔を見つめ続ける芽衣。
「あの、だから初夜を・・・」
「いいわよ別に」
「え!?本当??」
「ええ」
ちょっと待て。もうちょっとためらいがないものか。いやまさかとは思うがもしかして。あたしは気になったことを聞いてみる。
「もしかして、芽衣は初めてじゃないの?」
飼い主のご機嫌を伺う犬のような表情のあたしに、
「・・・初めてだけど」
顔色ひとつ変えずに答える芽衣。
「そ、そうなんだ。よかった」
「・・・あなたは?」
「ははは初めてに決まってるじゃん!あっ大丈夫!ちゃんとリードするから!」
「・・・そう」
そう呟いてまた勉強に戻ろうとする芽衣。ものすごい話の内容だと思うのだがそんなに勉強が大事だろうか。それとも、もしかして。
「あの。芽衣がリードするほうがよかったりする?」
芽衣のほうがなんか知ってそうだし。芽衣にまかせるのもありかもなと思っていると。
「あなたのほうが詳しいでしょ」
「・・・へ?」
「だって、そういう漫画読んでるじゃない」
うう。そうだ百合漫画見てるの芽衣は知っているんだったっけ。
確かにこの間読んだエロ漫画は良かったなあ。・・・ってそうじゃなくて。
「じゃ、じゃあ明日ってことで!」
「明日の夜ね、わかったわ」
そう言ってまた勉強に戻る芽衣。そんなに勉強が大事か。それとも照れ隠しか。まあ、明日のことは明日考えよう。肝心の初夜に宿題やれとか言われたらいやなので、とりあえず宿題を片付けることにするのだった。

そして待ちに待った芽衣との初夜。芽衣はもう先にお風呂を出て部屋で待っているようだった。早くしないと芽衣が寝てしまったら嫌なので、急いでお風呂を出て髪を乾かし、パジャマを着る。
これからまた裸になるのにな、と思ってかっと顔が熱くなる。
芽衣も初めてなのだから、きっと怖いはずだ。ここはひとつお姉ちゃんとしてリードしなくては。
よし、頑張るぞ?。なんて心の中で気合を入れて芽衣の待つ部屋へと急ぐのだった。

「芽衣、お待たせ・・・ってうわあ!!」
部屋に入った途端目に飛び込んできた光景にあたしは思わず叫んだ。
「な、なんで裸なのっ!」
慌てふためくあたしに芽衣は顔色ひとつ変えずに淡々と答える。
「だって、これからそういうことするんでしょう」
「う、うーん。まあそうなんだけど・・・」
おろおろしていると芽衣は追い打ちをかけるように言う。
「あなたも、早く脱いで」
「わ、わかった・・・」
この落ち着き具合。芽衣は本当に初めてなんだろうか。まあでもいいか。せっかくだから思う存分芽衣の裸を堪能(?)しよう、と思うのだった。
芽衣の隣に寝て、少しためらったが芽衣を抱きしめる。芽衣も、背中に手をまわしてくれる。
裸で抱き合うってこんなに気持ちいいものなんだ・・・。
幸せだ。本当に幸せだ。生きててよかった16年。なんて思っていると。
「・・・柚子」
「ん?何?」
「しないの?」
「はい?」
「だから。何も、しないの?」
「え?あ、そうか!」
そうだ。初夜を迎えようと言ったのは自分なのだ。裸で抱き合って満足してる場合ではない。もっと、その先に進まないと。
とりあえずと思いキスをする。
キスなんていつもしているのに、何故かいつもより興奮する。素肌が触れ合ったままだからだろうか。それともこれからすることへの期待からか。
舌をからめあい、お互い口内をかき乱す。
「はぁ・・・っ」
息が続かなくなって唇を離し、お互い潤んだ瞳で見つめあう。
「・・・えっと。いいかな?」
「いちいち聞かないでちょうだい」
「ご、ごめん」
とりあえずあれだ。最初は首からだな、うん。
芽衣の細い首筋に舌と唇を這わせると、
「ん・・・」
芽衣は首を反らせて甘い声を漏らす。
そのまま、どんどん下へ唇を滑らせていき、芽衣の胸まで到達する。芽衣のもっと可愛い声が聞きたい。躊躇せずその胸の先の蕾を口に含んだ。そっと舌でもてあそぶと、
「んっ・・・柚子・・・っ」
芽衣がしがみついてくる。かわいいなあもう。で、ふと思いいたって反対側のほうも指で刺激してあげると、
「・・・っ、や・・・っ」
芽衣があたしの腕を強くつかむ。ふむ、気持ちいいんだなきっと。
次はどうしようかと思ったがとりあえず芽衣のスベスベの肌を堪能(?)するべく胸の下からお腹あたりまで執拗に舌をはわせていると。
「・・・ちょっと、柚子」
「?何?」
「あなたわざとやってるの?」
「え・・・?」
芽衣の言っている意味がわからず首をかしげてその顔を見つめると、芽衣はあきれたようにため息をつく。
「私はあなたみたいじらされて喜ぶ趣味はないのだけど」
「・・・?」
しばらく考えて、芽衣の言葉の意味を理解する。
「あ、そっか!わかった、じゃ思い切り色々しちゃうからね!」
「あなたもうちょっとこう雰囲気とか考えて発言・・・」
「は?」
芽衣はまたあきれたようにため息をつく。
「もういいから、さっさとしなさい」
「はーい!」
よし。あれだ、ここはひとつ日頃から学んできた(?)漫画で得た知識を実行すればいいんだな、うん。・・・やばい、なんかドキドキしてきた。いいからもう早くやってしまおう。
芽衣の足を開かせて、その中心に指をはわせる。
「んっ・・・」
「あれ。なんかすごいことになってるねここ」
「・・・うるさい」
その中心の赤い芽を指でそっとこすると、
「やっ・・・だめっ・・・」
「だめってことは気持ちいいってことでしょ?」
「何言って、あ、あっ」
敏感な部分だから痛くないようにそっと丁寧に優しくこすりつづける。
「気持ちいい?」
「だからそういうこと言わな、・・・あっ、や、もう・・・っ!」
そこを指できゅっとつまむと。
「――・・・っ!!」
声にならない声をあげて、芽衣が脱力する。
「あ、イッたの?」
あたしが言うと芽衣はきっとこちらをにらみつける。
「あなたね、そういうこう・・・」
「よし、じゃ次の段階にいこうかな〜」
有無を言わさず(?)芽衣の中に指を入れると。
「少しは人の話聞いて・・・、んっ・・・」
「いい場所見つけるといいとか漫画にあったなあ」
「あなた一体普段からどんな漫画読んで、あ、あっ」
必死に耐えてる風な芽衣がかわいくて。もっとその可愛い声が聞きたくてとりあえず指を色々動かしてみる。できるだけ奥の方をいじってあげると芽衣が体をビクっとさせる。
「んっ・・・!」
「あ、ここかな?」
「や・・・やめ・・・、・・・っ!」
だめってことは気持ちいいんだなと思ったがそれを言うとたぶんまた怒られそうなので言わないでおくことにする。
「・・・っもうっ・・・!」
強くこすってあげると、
「・・・〜〜っ!」
またさっきと同じく声にならない声をあげて芽衣が脱力する。
「あ、またイッたんだね」
あたしが言うと芽衣はまたこちらをにらみつける。
「え?何で怒ってんの?」
「・・・別になんでもないわ」
「怒ってるの?ねえったらねえ」
「だから何でもないって言ってるでしょ」
「そっか怒ってないんだよかった。あ、じゃあ次は・・・」
「・・・ちょっと、待って」
「?」
芽衣があたしの肩をおさえながら、
「これ以上・・・」
「うん?」
消え入りそうな小さい声で言う。
「これ以上したら、どうにかなりそうだから・・・」
真っ赤な顔で言う芽衣がかわいくてあたしは思わず笑ってしまった。
「あはは。わかった、じゃ今日はここまでにしよっか」
「・・・笑うのやめてくれるかしら」
「えっじゃ何しかめっつらしたほうがいい?」
「そういう意味じゃないのだけど・・・」
「だって今笑うなって言ったじゃん」
「・・・」
あれ。黙ってしまった。あたしはなんかおかしいこと言っただろうか。
「じゃあれだね、次するときはもっと色々してあげるからね!」
あきれた風にため息をつく芽衣にそっとキスをした。






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