メイメイの様子が最近おかしい。いやおかしいというかなんだかしんどそうに見えるので自称メイメイの親友の私としてはこれをほうっておくわけにはいかない。しかし一体なんだろうか。憎きあの藍原柚子とは無事幸せになったわけだし藍原柚子とケンカしでもしたのかと思ったが教室で藍原柚子と楽しく話をしていた(いちゃいちゃともいう)からケンカとかではなさそうだし。
作業をしているメイメイを見るとやはりなんだかため息をついたり疲れているような仕草をする。こんなメイメイをこの私がほうっておくことなどできない。メイメイのお力にならなくては。なのでさりげなく聞いてみる。
「あの、メイメイ?」
「?何かしら?」
書類を置いてきちんとこちらを見るメイメイ。作業しながら話をしたりしないあたり、やはりメイメイは品格とマナーがそなわってらっしゃいますわ。
「なんだか最近メイメイのご様子がおかしいというかつらそうなかんじに見えるのですけど何か悩み事でもありますの?」
「そうね、あると言えばあるのだけど・・・」
「あら、やはりそうですのね。でも藍原柚子の件も解決しましたし先日お父様ともお話されてましたし今はお幸せなのだと思ってましたけど一体何のことで悩んでますの?」
「それはその。そうね、なんていうか・・・」
戸惑うように視線を泳がせて言いよどむメイメイ。そんなに言いにくい大変な悩みなのだろうか。
「メイメイが辛いと私もつらいんですのよ。私はメイメイを支えるために生きてますの。遠慮せず悩みを話してくださいまし」
「でもその。言いづらいのよね」
なんだかメイメイの顔が少し赤いのはなぜなのでしょう、一体どのような悩み事なのか。
「もちろん聞いたことは私誰にも言いませんわ、だからどうかおっしゃってくださいまし」
「その・・・」
なかなか口を割らないメイメイ。こうなったらこの手段を使うしかないですわ。
「メイメイは私のことはなんとも思っていないのですね・・・私はメイメイが悩んでいると思うと胸が張り裂けそうですのに。あんまりですわ・・・」
手で顔を覆い泣いたフリをして嘆くと。
「そんなことないわ姫子、ごめんなさい話すから泣かないでちょうだい」
ふふ。泣き落とし作戦成功ですわ。
「じゃあお話してくださいまし」
「あの。実は柚子のことなのだけど・・・」
「なんですって?藍原柚子に何かされてますの!?」
「されてるというかその・・・」
「まさか暴力!?DVというやつですの!?」
「ち、違うのよそうじゃなくて」
「はっ。もしや今流行のモラルハラスメントとか!?」
「モラルハラスメント・・・?」
「言葉や精神的な暴力のことですわ!?」
「そ、そう。暴力とかじゃないのよ、姫子落ち着いてちょうだい」
「じゃああの茶髪に一体何をされてますの!?」
「されてるのはいいのだけどやりすぎというか・・・」
「やりすぎ??何のことですの?」
「だからその。恋人同士ですることを」
「キス魔とか・・・?」
「いえもっと進んだあれが、その」
「ま、まままさか、夜に肌を重ねるあの行為ですの・・・?」
「そうね」
・・・あの女、今度睡眠薬で眠らせて樹海に捨ててやりますわ。
「や、やりすぎですからつまり、は、激しい、みたいなっ」
「いえ優しいのだけどしつこくて長いのよ」
「長いとはどのくらい・・・?」
「気づいたら早朝なのよね」
「そそそんなに長くっっ!」
「だから3時間ぐらいしか寝てなくてつらいのよ最近」
なんという。メイメイの裸。裸・・・。
「姫子??」
「はっ。すみません少し妄想が、じゃなくて、その。控えるように藍原柚子に言えばよろしいのでは?」
「それが言ってるのだけどやり始めると忘れるみたいなのよね」
ああ。メイメイの口からやるとか言う単語など聞きたくないですわ。メイメイをこのようにしてしまった藍原柚子はやはりメイメイに近づけてはいけない狂犬でしたのね。最初に手を打たなかった自分を攻めたい気分ですわ。
「でもメイメイ、本当にお疲れのようですしたまにはびしっと言って断らないと体を悪くしたら大変ですわよ」
「そうね、今日だけはしないよう言うわ」
「今日だけ・・・」
「話聞いてくれてありがとう姫子」
「いえいえ。また何かあったらいつでも相談に乗りますわ」
ありがとうと言って作業に戻るメイメイに私も同じくそれにならう。
・・・今度祈祷師にお願いして藍原柚子に呪いをかけてやりますわ。そして願わくば来世では私とメイメイと結ばれ・・・ふふ・・・。

「あの、柚子?」
夜布団に入りいつものように私を脱がそうとしてきた柚子を制止する。
「ん?何?」
「今日はもう寝るわ」
「えー!やだよー!」
「寝不足で限界なのよ言うこと聞きなさい」
「そんなあ・・・」
「あなたねだいたい毎日明け方までするなんて異常じゃないの?」
「だってしたいんだもーん」
「とにかく今日はだめ、寝るわよ」
「うう。じゃあキスだけならいいでしょお願い!」
「仕方ないわねほどほどにしなさいよ」
「やったー!」
そして激しいキスを受け止める。
結局夜中までキスしたからたいして寝不足は解消されないのだった。






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