私はリビングでひとりため息をついた。その理由はというと。柚子ともう3回その。肌を重ねる行為をしている。それは別にいいのだ。問題は、いつも私が柚子にされる側で私が柚子にしてあげたことはまだないことだった。私だって柚子にしてあげたい。柚子はわかっているのだろうか。それとももしかしてされるのは嫌とか。聞くに聞けないしどうしたものか。 今柚子はお風呂に入っている。お母さんはまだ帰ってこない。こんなこと誰にも相談できないし、一人で考えなくては。 なんて思っていたところに電話がなったので出る。その電話がきっかけで、私はこのあとの行動を決断するのだった。 「楽しそうね」 「うん、風呂で水鉄砲で遊ぶとたの・・・ってうわ!芽衣!な、なんで入ってくんの!?」 「いけないかしら」 「ママいるんだよ!?」 「お母さんなら今日は帰れないって電話あったわ」 「マジ?あ!じゃあ・・・」 「待って柚子話し聞いて」 「う、うん?」 「今日は私があなたにしてあげたいんだけどだめかしら?」 「えっ何その積極性。なんかあったの?」 「別に何もないわよ。ただ、いつもあなたがしてくれるばかりだから私からもと思って」 「い、いいの?」 「あなたが嫌でなければ」 「嫌なわけないじゃん!あっでも風呂でするの?」 「だめ?」 「いやだめじゃないけど・・・」 「じゃ決まりね」 そう言って私が柚子のいる浴槽に入ろうとすると。 「え、座ってお湯の中でやんの?」 「だって寒いから」 「そ、そっか。でもお湯につかってると口使えな・・・」 「え?」 「い、いやなんでもないです」 そっと柚子を抱き寄せて、少し強引にキスをする。いつも柚子にしてもらってばかりで主導権を握るなんてこと初めてなのでなんだか新鮮で異様にドキドキするんだけれどどうしてだろう。 しばらくして唇が離れて。息を整えて柚子の首筋に噛み付いた。正直どうすればいいかなんて知識はないけれど、いつも柚子がしてくれるようにやればいいのだきっと。 「んっ・・・」 執拗にその首筋に舌をはわせていると、 「あの、ちょ、芽衣っ」 「何?」 「く、首ばっかりじゃなくて他もお願いしたいんですが」 「・・・ごめんなさい」 「い、いや謝らなくても大丈夫だよ」 何気なく柚子の胸に手を添えて。その先端を指で擦ると、 「っ、んっ・・・」 「固くなってるからあなた興奮してるの?」 「当たり前じゃん、・・・っ」 で、執拗に指で擦ったり弄んだりを続けていたけど、ふと気づいたことを口にした。 「あ。お湯がジャマね」 「だ、だから言ったのに」 「あなたは寒くないのよね?」 「うん、まあそうだけど」 「じゃ、ちょっと来て」 「え、ちょ、ちょっと、芽衣っ」 湯船の中に座ってる私の膝の上に柚子が乗っかる形になる。 「芽衣、あの。こういう体位がやりたかったの?」 「え?体位って何?」 「し、知らなくてやってるのかうーん」 「・・・あなた私より小さいから位置がちょうどいいわね」 「またそんな人がひそかに気にしてることをっ」 「いいから黙って」 柚子の体が冷えたらいけないと思って行為を再開する。柚子の胸の先端を口に含んで舌先で転がすと、 「っ、あっ・・・芽衣・・・っ」 私の肩を掴んでる柚子の手に力が入ってちょっと痛い。でもかまわずそれを続けていると。 「あのっ・・・芽衣ってばっ」 「何?」 口を離して柚子を見る。 「も、もう我慢できないよ、芽衣お願いっ」 「だってあなた焦らされるの好きなんでしょ?」 「読むのは好きだけどされるのは嫌だよう」 「わかったわ」 焦らしてみたい気もしたけど柚子が泣きそうな顔してるのでまあそういうのはまた次の機会にやることにしよう。 柚子の下半身の1番敏感な場所へ指を沈めて、その中に指先を入れて動かす。 「何こんなになって。やっぱりあなたおかしいんじゃないの?」 「こ、言葉攻めするのやめ・・・、あ、あっ・・・!」 ずっと続けてると柚子が半分涙声で訴えてくる。 「ごめん、あたし、その、もうっ・・・」 「・・・イキそう?」 「な、何でそれは知って、んっ・・・っ!」 達してしまうことを何故か耐えてる風な柚子に、私は彼女が1番言われて興奮するであろう台詞をその耳元で囁いた。 「・・・我慢しないでイッてね『お姉ちゃん』」 「・・・〜〜っ!!」 声にならない声をあげて、それから脱力してもたれかかってきた柚子を私は力一杯抱きしめた。 「し、死ぬかと思った・・・」 「あら、そんなによかったかしら」 「いやそれは否定しないけどなんか最後すごいこと言ったよね芽衣」 あのあと立てない柚子を支えて部屋へ連れていきこうしてベッドに寝てるのだけど。 「だってあなたああいうの好きなんでしょう?」 「まあそうなんだけどさあ」 「じゃいいじゃない」 「あの。これからもあれやるつもり?」 「だめかしら?」 「嬉しいけどそのうち死んじゃうよう・・・」 「死なれたら困るからほどほどにするわ」 「うん、そうして」 お互い裸で寝てるから。肌寒さを感じて私は肩をすくめた。 「芽衣寒い?大丈夫?」 「あなたがあたためてくれれば大丈夫」 「ん、わかった」 柚子が抱き寄せてくるのでその背中に腕を回す。 「裸で抱き合うのって気持ちいいよね」 「そうね」 なんだか眠くなってきてしまって、うとうとしてしまっている私を見て柚子が優しく言ってくれる。 「眠いんだね、寝ていいよ」 「ごめんなさい」 「ふふ、いいよおやすみ」 肌に触れる柚子の暖かさが心地よくて私はすぐ眠りについてしまった。 夢の世界へ入る前に心の中で呟く。 ・・・あなたを好きになってよかった。 |