恋人同士になってから芽衣とは必ず向かい合って寝るようになった。 それは別にいいんだけど。 「芽衣明日朝早いんでしょ?もう寝なよ」 「ええ」 頷いたのに芽衣が寝そうにないのでなんだと思っていると。 「手・・・」 「え?」 芽衣が手をそっと差し出す。 「ん?あ、そうか」 そっとあたしはその手を握ってあげた。 そう、芽衣は手を繋がないと眠れないのだ。かわいい。かわいいなあもう。 手を繋いだからなのかうとうとしはじめた芽衣にわざと言ってみる。 「芽衣は甘えん坊さんだね〜」 「・・・失礼ね」 「あはは照れない照れない」 「・・・」 しばらくあたしを睨んでいた芽衣だったけど、眠気には勝てないのかそのまま寝てしまった。 寝ている芽衣には聞こえないだろうけど一応おやすみとつぶやいてあたしも寝たのだった。 そして夜中。 なんか引っ張られてるような感覚がして目が覚める。 「・・・ん??」 芽衣があたしの背中を引っ張っているのでそちらを向くと。 「ちゃんとこっち向いて」 「う、うんそうだねごめん」 いや無意識に寝返りしたのを怒られても困るのだが・・・。 ちなみに芽衣は寝相はいいのであまり寝返りしないけど。 「・・・」 なんか芽衣が睨んでくるのであたしは焦って言い訳をする。 「ご、ごめんつい寝返りしちゃって。もうしないからさ、ね?」 約束するよ、と言ってあたしはそっと芽衣を抱きしめた。 そうすると芽衣はまたすぐ寝てしまった。 そういうかわいいことばかりするのやめてほしい、興奮して眠れないっつーの。 でもしばらくそうしていたら眠気が来たのでそのまま寝たのだった。 で、朝。 まだ目覚ましがなってないけれどあたしはなんとなく目が覚める。 そして何気なく芽衣のほうを見て気が付く。 「げ!やばっ」 確かちゃんと繋いで寝ていたはずの手が離れているからあたしは慌ててその手をそっと握った。 手を離して寝ていたのがばれたらたぶん殺される。しかしそんなことで殺され・・・いやいや。 あたしは空いたほうの手で芽衣の頭をそっと撫でた。 まったく芽衣はわがままで手のかかる妹だ。でもそれがかわいい。 結局それからもう目が覚めてしまったので、起床時間までずっと芽衣の寝顔を見続けたのだった。 ・・・これからも毎日こうか、なんて思いながら。 |